ドラマ『ハケンの品格』続編は派遣人気の兆し!?
この10数年で派遣の働き方はどう変わった?

ドラマ『ハケンの品格』続編は派遣人気の兆し!?この10数年で派遣の働き方はどう変わった?

スーパー派遣スタッフが活躍する人気ドラマ『ハケンの品格』第2弾が、4月からスタートします。第1弾の放送から13年の月日がたち、派遣スタッフを取り巻く環境は大きく変わり、働く側が「必要な時に、必要な期間、必要な働き方」ができるものに、つまり自分に合った働き方ができるようになりつつあります。この10数年の派遣の働き方の変化を見てみましょう。

2007年の「ハケンの品格」放送時から、派遣スタッフは約21万人増加

『ハケンの品格』が放送されていた2007年は、派遣スタッフ数は約121万人でしたが、2019年には約142万人(1~3月平均)となり、約21万人増加しています。
現在の雇用者全体(5619万人、役員除く)に占める派遣スタッフの割合は、2007年の2.4%とほとんど同じ割合です(2019年は2.5%)。

有期雇用の内訳

「ハケンの品格」が放送された頃、派遣の対象業務が製造業務や医療関連業務などに拡大し、派遣市場が急成長していました。しかし、2008年に起きたリーマンショックの影響で、企業は派遣契約を打ち切るケースもありました。

二度の法改正により、派遣市場が拡大

こうした問題を受けて、2012年に派遣法が改正され、日雇い派遣の原則禁止、グループ派遣の禁止、1年以内に退職した職場への派遣の禁止など、派遣スタッフの待遇改善が強化されました。

2008年から2012年まで、派遣スタッフの数は減少し続けていましたが、派遣法の改正によって、2013年からは再び増加し始めました。

さらに、2015年にも派遣法が改正され、派遣会社は、派遣終了後の派遣スタッフに対して、派遣先へ直接雇用を依頼したり、新しい派遣先の提供が義務付けられたりするなど、雇用の安定が図られました。

また、派遣会社は、派遣スタッフに対して、計画的な教育訓練やキャリア・コンサルティングを実施することも義務付けられ、派遣スタッフのキャリアアップも図られました。このような法改正などによって、派遣市場はさらに拡大していきました。

派遣法改正によって、派遣スタッフの働き方や待遇はどう変わった?

働き方の変化を見てみると、2015年の改正では、全ての有期雇用で働く派遣スタッフが、同じ職場で3年以上働き続けることができない「3年ルール」がスタートしました。
これは、派遣先で長く働き、経験を培った派遣スタッフを、派遣先が正社員として直接雇用することを目的としたルールです。

2018年以降、派遣会社は、3年の期間が満了した派遣スタッフが希望すれば、「派遣先に直接雇用を依頼する」「別の派遣先を紹介する」「派遣会社が無期雇用をする」「その他雇用の安定を図る措置を行う」かのいずれかの対応を行っています。

派遣スタッフにとっては、派遣先の直接雇用になるという道が、選択肢のひとつになりました。

派遣に関する主な法改正

そして、2020年4月1日からは、雇用形態間での不合理な格差の解消を目的としたいわゆる「同一労働同一賃金」が施行されます。これは、同じ仕事をする(職務の内容、職務の内容・配置の変更範囲などが同じ)労働者には、同等の待遇を保障しなければならないというルールです。

これにより、派遣スタッフに交通費が支給されたり、派遣先の社員と同等の教育訓練を受けられたりするようになります。派遣スタッフの待遇はますます改善されることが期待されます。

この10年で派遣スタッフの賃金は、一日あたり約4,300円アップ!

厚生労働省によると、2007年度の派遣スタッフ(一般労働者派遣事業)の一日あたりの平均賃金は9,534円でしたが、2017年度は(労働者派遣事業)13,831円となり、10年間で約4,300円増加しています。

近年は、人手不足の影響で業種を問わず派遣スタッフのニーズが高まり、それが賃金上昇につながっているといわれます。

人手不足を背景に、派遣の可能性はますます広がる

2000年代前半は、営業、販売、一般事務、製造といった専門業務以外に対するニーズが高く、それが2004年の製造業務への派遣解禁にもつながっていました。

その後、事業のIT化などの急速な環境変化によって、ソフトウエア開発のエンジニアなど、専門技術を持つ、いわゆる「専門職」のニーズが高まりました。自社で専門職を独自に採用・育成し、抱え込む余裕がなくなってきたことなどを背景に、各人材派遣会社が「育成型派遣制度」を設けるなど、専門職スタッフの募集や養成に力を入れています。

最近では深刻な人手不足により、専門職に関わらずあらゆる業務で派遣スタッフのニーズは高まり、未経験の採用も増えています。時短勤務など、派遣スタッフの自由な働き方を認める動きにもつながっています。
さらには、派遣先での直接雇用を前提に派遣スタッフを一定期間雇い、一定期間終了後に派遣先と派遣スタッフが合意すれば、直接雇用契約を結ぶ「紹介予定派遣」のニーズも高まっています。

紹介予定派遣は、企業、派遣スタッフの双方にとって、入社後のミスマッチを未然に防ぐため、多くの派遣先から注目されています。

今回のまとめ

プライベートを重視するなど働き方に対する意識の多様化や、副業・兼業の解禁など働き方自体の多様化、そして同一労働同一賃金など働き方改革の広がりによって派遣スタッフの待遇が向上していくことを背景に、派遣は、自由で多様な働き方の選択肢のひとつとなっています。

また、派遣スタッフとしての働き方も、労働者のニーズや生活に合わせる形で多様化してきています。派遣労働者として横一列で同じ条件で働くのではなく、自分の生き方にマッチした働き方を選ぶ時代になってきています。

派遣のお仕事について詳しく知りたい方は、スタッフサービスまでお気軽にお問い合わせください。

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