文章の読みやすさは、漢字3割、平仮名7割が基本!
「おこなう?行なう?行う?」どれが正しい?【例文付きで解説】

文章の読みやすさは、漢字3割、平仮名7割が基本!おこなう?行なう?行う?どれが正しい?【例文付きで解説】

リモートワークが普及するなか、文章によるコミュニケーションの重要性が高まっています。文書の読みやすさは漢字3割、平仮名7割と言われているのをご存じですか?「おこなう」は漢字?それとも平仮名?いざ仕事で使うとなると、意外と悩むもの。迷いやすい漢字をピックアップしながら、例文付きで文書の書き方を解説します。

漢字3割、平仮名7割の比率について

まずは、漢字を使うべきか、平仮名を使うべきか、迷ってしまいそうな例を挙げながら、“読みやすい”単語の使い方について紹介します。

■これは漢字がいい?平仮名がいい?

以下の文、みなさんは普段どちらの表現を使っていますか?

「よろしくお願いいたします」or「宜しくお願い致します」
「ご連絡いただけますか」or「ご連絡頂けますか」
「ぜひ、お願いしたいです」or「是非、お願いしたいです」
「明日、できあがります」or「明日、出来上がります」
「なぜでしょうか?」or「何故でしょうか?」
「いかがでしょうか?」or「如何でしょうか?」
「AおよびBの資料をご覧ください」or「A及びBの資料をご覧下さい」

■正しいかどうかではなく、読みやすさの問題

上記の例は、いずれも間違った使い方ではありません。「宜しくお願いいたします」も「よろしくお願い致します」も正しい日本語です。

ここで大事なポイントは、正しいかどうかではなく、文章としての“読みやすさ”です。一般的に、漢字が多いと文章は読みにくくなりますし、必要以上に堅苦しいイメージを与えてしまいます。一文を例にしたものになりますが、「宜しくお願い致します」よりも「よろしくお願いいたします」のほうが読みやすく、上記の例はすべて前のほうが良いということになります。

忙しいビジネスシーンでは、時間をかけずにさらっと読めて、内容が伝わりやすいメールや文書を作成することが求められます。社会人として、ぜひ身につけておきたいスキルです。

■ポイントは漢字3割、平仮名7割

では、読みやすいメールや文書を作成するには、どんな点に気を付ければいいのでしょうか?ポイントは漢字3割、平仮名7割です。文章全体の3割を漢字に、残り7割を平仮名にするのが一般的に読みやすいと言われています。

同じ文章でも、漢字3割、平仮名7割を意識するだけで読みやすさがぐっと違ってきます。漢字と平仮名が混在する日本語ならではの面白い点といえるでしょう。
普段あまり気が付いていないかもしれませんが、新聞などはこの割合で文章が構成されています。一度チェックしてみましょう。

読みやすい文章の書き方、5つの秘訣

漢字3割、平仮名7割を意識するといっても、実際に文章を書きながら文字数を数えるわけにはいきません。そこで、いちいち数えなくても自然と漢字3割、平仮名7割になるような習慣と、文章の読みやすさのレベルを上げる習慣を5つ紹介します。

① 漢字を続けて書かない

漢字を2語以上続けて書いていいのは熟語だけと心得ましょう。もし、熟語以外で漢字が2語以上続いたら、どちらかを平仮名に変換します。

例)

「ただ今参ります」→「ただいま参ります」
「ご覧下さい」→「ご覧ください」
「拝見致します」→「拝見いたします」

② 無理に漢字にする必要のない言葉は使わない

読み方を一瞬考えてしまうような漢字や、無理に漢字にする必要がない言葉は、漢字変換せず平仮名のまま残します。パソコンの場合は自動変換で出てくるため、つい使ってしまいがちなので注意が必要です。

例)

「有る」→「ある」
「居る」→「いる」
「無い」→「ない」

③ 句読点や改行を上手に使う

句読点のない文章はとても読みにくいので、意識して打つようにしましょう。ただし、句読点を使ってだらだらと文章をつなげないことが肝心です。「一文一意」、つまり主語・述語を意識して、1つの文章では1つのことだけ伝えることを意識しましょう。
そうでないと、主語と述語の間が長くなり、主語と述語がかみ合わない“ねじれ文章“になってしまう可能性が高くなります。
また、メールはこまめに改行するだけでも、ぐっと読みやすくなります。

例1)

「明日のスケジュールに変更がありましたのでご連絡いたします」

「明日のスケジュールに変更がありましたので、ご連絡いたします」

例2)

「私たちの新サービスは、今年の9月にリリースしたばかりなのですが、非常に好評で、AとBという機能です」

「私たちの新サービスは、AとBという機能があります。
今年の9月にリリースしたばかりなのですが、非常に好評です」

④かぎかっこなど記号を使う

強調したい言葉は“”「」などで囲ってアクセントを付けると読みやすく、強調の意図が伝わりやすくなります。

例)

「ミーティングでは“〇〇”ということが改めて確認されました」
「いま、私たちが優先的に取り組むべきなのは「〇〇」です」

⑤接続詞はすべて平仮名で、そのあとに「、」を付ける

接続詞は平仮名が基本です。漢字変換できる場合でも、平仮名で使用すると読みやすさがアップします。

例)

但し→ただし、
更に→さらに、
従って→したがって、

読み比べてみよう!ビジネスシーンで読みやすいのはどっち?

紹介したポイントを踏まえて、次の2つの文章を読み比べてみましょう。文章の内容はまったく同じですが、読みやすさが違います。読みやすい文章のコツを知ったいまなら、きっと2つの文章の違いに気づくはずです。

■読みにくい文章

メッセージを拝見致しました。当社のサービスにご興味がお有りとのこと大変嬉しく存じます。私たちの新サービスは今年の9月にリリースしたばかりなのですが、非常に好評でAとBという機能です。但し御社が使用されている◯◯と一緒にお使い頂く場合にはAが必要となります。また◯◯も検討される場合には更にBも必要です。詳しい使い方につきましては担当の者が居りますので、下記、その者からご説明させて頂きます。

ただ今バージョンを更新中で明日には新バージョンが出来上がります。一度お試し頂ければと思いますが如何でしょうか?詳細につきましては添付のA及びBの資料をご覧下さい。ご感想をお聞かせ頂けるようでしたら是非お願いしたいと思っております。ご不明点がございましたらご連絡頂けますでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。

■読みやすい文章

メッセージを拝見いたしました。
当社のサービスにご興味がおありとのこと、大変嬉しく存じます。

私たちの新サービスには、AとBという機能があります。今年の9月にリリースしたばかりなのですが、非常に好評です。ただし、御社が使用されている「◯◯」と一緒にお使いいただく場合には、Aが必要となります。また、「△△」も検討される場合には、さらにBも必要です。詳しい使い方につきましては担当の者がおりますので、下記、その者からご説明させていただきます。

ただいまバージョンを更新中で、明日には新バージョンができあがります。一度お試しいただければと思いますが、いかがでしょうか?詳細につきましては、添付のAおよびBの資料をご覧ください。

ご感想をお聞かせいただけるようでしたら、ぜひお願いしたいと思っております。ご不明点がございましたら、ご連絡いただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

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今回のまとめ

漢字が少なくて平仮名ばかりの文章は幼稚な印象ですが、かといって漢字が多すぎても読みにくい文章になってしまいます。相手に余計なストレスを与えず、情報を正しく伝えるには、漢字と平仮名のバランスが重要です。ご紹介したポイントをうまく使って、「さすが、読みやすいね!」と言われるメール・文書を作成してみてください。