人間関係も左右する!?ビジネスシーンで 第一印象をアップさせる7つの方法

人間関係も左右する!?ビジネスシーンで 第一印象をアップさせる7つの方法

「最初の数秒で第一印象が決まる」といわれるほど、第一印象は大切です。転職や新しい職場に派遣された初日、取引先に初めて挨拶に行く際など、最初に相手に与えるあなたの印象は、その後の仕事の効率や人間関係にも影響を及ぼすかもしれません。相手に好印象を持ってもらうことはビジネスマナーの基本でもあります。そこで今回は、第一印象をアップさせるためのポイントを、マナー講師の武藤 幸子さんに伺いました。

第一印象は、ほぼ外見で決まってしまう!?

第一印象を決める要因には、瞬間印象と本質印象の2つがあります。最初に与える印象が「瞬間印象」。印象の8割を決めてしまうとされる“パット見”が、これにあたります。一方、出会いから数分経って決まる「本質印象」も、視覚からの影響が約6割を占めるとされています。ただし、この「視覚からの影響」とは容姿のことではなく、立ち振る舞いや表情、姿勢など、心掛け次第でブラッシュアップできる範囲のことを指します。以下の7つのポイントをきちんと押さえておけば、第一印象は意外と簡単にアップさせることができるのです。

1.服装、身だしなみ

すぐに変えることができるのが「服装」と「身だしなみ」です。オシャレは自分が楽しむものですが、身だしなみは、相手に不快感を与えないように整えるものです。あなたの印象は、相手の捉え方によって決まることを踏まえ、大切な場面の前には以下の点をチェックしましょう。

□髪型
清潔感のある髪型か、伸びすぎたり顔にかかったりしていないかを確認しましょう。女性の場合長い髪はまとめ、男性は、耳にかけられる場合はかけてスッキリさせましょう。

□化粧
派手すぎず、清潔感のあるナチュラルメイクかどうかを確認しましょう。

□ネイル
爪はきちんと整えられているか、マニキュアは場にふさわしい色・デザインかどうかを確認しましょう。

□服装
シワや汚れはないか、スカートの裾がほつれていないか、ストッキングの伝線はないかを確認しましょう。靴の汚れは見落としがちなので要注意です。

□カバン
形が崩れていないか、華美すぎないか、汚れはないかを確認しましょう。

2.表情、視線

笑顔にはサイレントスマイル、ハーフスマイル、フルスマイルの3種類があり、職場では、ハーフスマイルまたはサイレントスマイルがベスト。サイレントスマイルは、皇室の方の笑顔のように、口は閉じていても口角が上がり、目尻が下がった優しい表情です。ハーフスマイルは、少し唇を開けて、ニッコリと笑う安心感を与える笑顔。そしてフルスマイルは、口を大きく開けて笑う表情のことです。

上手に笑顔が作れないときは、表情筋トレーニングの「ウーイー体操」がおすすめ。やや上を向き、首を伸ばした姿勢で、唇を思い切り突き出した「ウ」の口と、唇を思い切り横に引いた「イ」の口を、「ウーイー」と発声しながら交互に10回行います。頬骨筋と顎周辺のオトガイ筋が鍛えられ、口角が上がりやすくなります。
また、うつむいてばかりで相手と視線を合わせないのも印象はよくありません。適度なアイコンタクトも意識しましょう。しかし、あまり見つめすぎると相手に居心地の悪さを与えてしまうため、要所だけ目を合わせ、それ以外は相手の鼻から口元に目線をおくとよいでしょう。

3.姿勢、歩き方

身だしなみが整っていても、姿勢が悪いと印象も下がってしまいます。首すじと背すじをすっと上のほうへ伸ばし、骨盤で体重を支えている意識をすると、自然と姿勢が正されます。大きく深呼吸した姿勢のまま肩を落とすと猫背が解消され、信頼感を相手に与えることができます。また歩くときは、目線は斜め前へおき、ヒールとつま先が同時に地面に着くように歩くことを意識しましょう。かかとに力が入りすぎて、ヒールがカツカツ鳴らないよう注意しましょう。

プラスアルファの心掛けで、さらに印象アップ!

見た目以外にも、ほんの少し気をつけることで好印象を与えることができる要素はほかにもあります。ぜひ、配慮してほしいポイントについてご紹介します。

4.匂い、香り

匂いや香りは相手の評価にダイレクトにつながるといわれているため、不快感を与える匂い(汗、タバコ、にんにく、防臭剤など)がしていないかのチェックは忘れずに。また、個性を主張する香水はつけないほうが無難です。中には、面接時に香りをチェックする企業もあるとか。特に飲食系の企業を希望している方は、香りの強い柔軟剤などにも配慮しましょう。

5.声量、声のトーン

初対面の人と話をするときや緊張しているときは声量が小さく、早口になりがち。小さな声でボソボソと話すと、暗く自信のない印象を与えてしまいます。相手に伝わりやすい声の大きさと速さを意識して話すようにしましょう。声のトーンを普段よりワントーン上げるには、笑顔のまま発声する「笑声」(えごえ)を意識すると、明るく元気な印象を与えやすくなります。また、滑舌が気になる人は、母音(aiueo)を意識して発声すると話しやすくなるでしょう。

6.言葉づかい、話し方

どんな言葉を使い、どんな話し方をするのかも人の印象を左右します。「です」「ます」の丁寧語で話すことはもちろん、初対面の相手には年齢を問わず敬語で話すようにしましょう。また、「えっと~」「あの~」などを何度も挟むのはマイナス。話の最後にプラスの面を伝えるようにすると、話の内容だけでなくあなた自身にもポジティブな印象を抱いてもらうことができます。

7.相手の話を聞く姿勢、態度

相手の話を聞くときは、両膝を揃えて上半身ごとしっかり相手に向けるようにしましょう。座って聞くときにも、やや前傾姿勢になると、“あなたの話をしっかりと聞いています!”という姿勢が伝わりやすくなります。さらに、相づちやうなずき、相手の言葉をオウム返しするなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

今回のまとめ

ビジネスにおいて、第一印象をよくするために重要なことは、気合いを入れてオシャレをすることではなく、相手を不快にさせないことです。小さな心掛けを積み重ね、あなたの第一印象をさらにアップさせましょう。

武藤 幸子

【取材協力・監修】

武藤 幸子
マナー講師
HANA Styleup

都内有名ホテルでの勤務経験を経て、幼少期からの夢であった国内航空会社のCAとなる。チーフパーサーとしてフライトするとともに、OJT訓練とし新人のCAの育成にもあたる。
結婚後退職。出産後、都内司法書士法人で10年間勤務。様々な仕事を経験する中で、コミュニケーション能力やビジネスマナーの大切さを痛感。2人目出産を機に、人の役に立てる仕事をしたいと一念発起。マナー講師として独立。現在は、法人を対象にビジネスマナーに関する研修、セミナー・講座などを開催するほか、個人に向けたソーシャルマナー講座や就職活動支援なども行っている。