はんなりと夏を楽しむ、浴衣美人のすすめ

はんなりと夏を楽しむ、浴衣美人のすすめ

暑い日ばかり続いてうんざりしがちな夏。でも、不思議とウキウキしてちょっぴり大胆になれる季節でもあります。そんな夏だからこそ、思い切っていつもと違う特別な自分を演出してみませんか?

そこで今回は、夏の風物詩「浴衣」の魅力をクローズアップ。着崩れしにくい浴衣の着付けや美しく見える所作から、お手入れやしまい方のポイントまで、浴衣にまつわるアレコレをご紹介します。

花火大会やお祭り、ビアガーデン、旅先でのお散歩など、夏ならではのお出かけシーンで涼しげに浴衣を着こなせたら、きっと周囲の目も変わるはず。はんなりと色気を演出する浴衣美人になって、今年の夏を楽しみましょう。

着崩れしにくい着付けは「補正」から!

着崩れしにくい着付けは「補正」から!

浴衣を着るときには、まっすぐ伸びた着物の線と柔らかい丸みの両方をシルエットとして見せることで、凛とした中に色っぽさを醸し出すことができます。そのようにきれいな浴衣姿をつくるためには、まずきっちりと着付けをすることから心がけましょう。

浴衣を着る前に……

きれいな浴衣姿をつくる第一のポイントは、浴衣を着る前に体型に合わせて「補正」すること。浴衣を体に合わせるのではなく、体を浴衣にフィットさせることが大切です。そうすると着崩れもしなくなります。

まずは、和装用かスポーツ用のブラジャーで、体をすっきりとしたシルエットに!それから、タオルを使って胸から骨盤までのでこぼこを無くします。ウエストやアンダーバストなど、くぼみを埋めるようにタオルを巻きましょう。

ただし、あまり締め付けすぎると後で苦しくなってしまうので、「程良く、ぴったり合わせる」ことを意識してみてください。

+one point

「浴衣の下に着るものは、キャミソールやタンクトップでもOK?」

着物の下に着る専用の「肌襦袢」「浴衣スリップ」もありますが、普段着ているキャミソールやタンクトップでもかまいません。その場合は下半身が透けたり冷えたりしないように、ペチコートやステテコを穿きましょう。また、タンクトップは首の後ろから見えてしまう可能性もあるので、襟ぐりの広いものを選ぶといいですよ。

美しさを演出する、5つの着付けポイント

美しさを演出する、5つの着付けポイント

美しく浴衣を着るには、ちょっとしたコツが必要です。

  1. 浴衣を羽織るときに、浴衣の中心を体に合わせましょう!自分の背骨と浴衣の背中の縫い目を合わせます。
  2. すその高さは、くるぶしが隠れるくらいがベスト!
  3. 足元は、浴衣の上前(左側)を下前(右側)より少しだけ高くしましょう。
  4. 首の後ろと浴衣には、こぶしひとつ分の隙間をあけると、うなじが美しく見えます。
  5. 最後に背中とお腹周りのシワをピンと伸ばしましょう。

この5つのコツさえ実践すれば、プロの着付けに近づけますのでぜひ試してみてください。

+one point

「もしも浴衣が乱れてしまったら?」

動いていると、どうしても浴衣が乱れてだらしなくなってしまいがち。気づかないうちに下着が見えてしまっている……なんてことも。胸もとがはだけてきたら、左脇の下に手を入れて、下の襟を引っ張ります。帯の下の「おはしょり」もピッと下に引っ張って、生地を伸ばしましょう。

もし裾が広がってしまったら、上前を持ち上げ、下前を引き上げて腰紐の上へ押し込んでください。そして反対に上前を引き上げて腰紐の上へ押し込みます。余裕があったら腰紐を解いて結び直すと、足元が整いますよ。

これだけは押さえておきたい!浴衣美人になれる所作

せっかく浴衣を着て艶っぽくなっても、ガサツな動きでは台無しに……。浴衣を着て少し仕草に気を配るだけで、ぐっと大人っぽい色香を漂わせることができます。ここでは、浴衣の魅力をもっと引き出すための所作をご紹介します。

美しい佇まい

美しい佇まい

美しいシルエットは、背筋がポイント。控えめだけど、凛としたまっすぐな姿勢を意識するだけで、ぐっと人目を惹きつける浴衣美人になれます。

まずは背筋をすっと伸ばして、顎は軽く引きましょう。そうすると自然とうなじが覗き、女性らしさが際立ちます。さらにつま先とかかとを揃えると、足から腰のラインもまっすぐになります。足元と首元を意識して、体全体はリラックスすると、美しく、自然な立ち姿になります。

歩き方

歩き方

歩幅は狭く、少し内股ぎみに、ゆっくりと歩きます。カラコロと下駄の音を立てないように、足の裏で地面をこするようにすり足気味を意識しましょう。右手は常に裾の位置に。軽く裾のめくれを抑えるようにすると、奥ゆかしく色っぽい印象になります。階段を使うときは、右手で裾を軽く持ち上げましょう。

座り方

座り方

帯下の上前(生地が重なった部分)を軽くつまんだまま、ストンと腰をおろします。帯の下に布が寄っている状態がベストです。立ち上がるときも、そのまま立てば乱れません。高いイスに腰掛けるときは、同じく上前をつまんで、太ももではなく、かかとを上げてお尻をイスに乗せます。座っている間は、背もたれに寄りかかって帯を崩さないように気をつけてくださいね。

+one point

「トイレはどうする?」

できれば和式よりも洋式トイレを使いましょう。あると便利なのが、洗濯バサミ。裾を持ち上げて帯に留めると、浴衣が汚れないのでおすすめです。

洗濯機で洗える!?浴衣のケア法とたたみ方・しまい方

洗濯機で洗える!?浴衣のケア法とたたみ方・しまい方

浴衣を洗うときは手洗いが基本。浴衣の生地は繊細なので洗濯機はあまりおすすめしません。ただし、最近はいろいろな素材を使った浴衣があり、なかには洗濯OKのものもあるので、自分の浴衣の洗濯表示ラベルを確認してみてください。来年の夏も着られるよう、浴衣は大切にケアしましょう。

もしもシミがついてしまったら……

ファンデーションや汗、お祭りの食べ物など、気がつかない間にシミが付いているかもしれません。もしシミを発見したら、すぐにシミ抜きをしましょう。

まずは色落ちしないかどうかを確認。簡単なシミなら、直接、洗剤をつけて優しく揉み洗いをします。ファンデーションや日焼け止めならクレンジングオイルを、食べこぼしなら食器洗い洗剤をつけて、歯ブラシで優しく擦るとよいでしょう。泥汚れの場合は、ドライヤーなどで乾燥させ、歯ブラシで一定方向に擦ると泥が落ちます。それでもシミが残る場合は、クリーニングに出してください。洗った後は、浴衣をつっぱり棒に通して干すと、型崩れを防ぐことができます。

1年後、また浴衣美人になるために……

来年また着ようと思ったときにシワがつかないように、生地を綺麗に伸ばしてしまいましょう。アイロンをかけておくとさらに良し!アイロン台が小さすぎる場合は、浴衣を毛布やバスタオルの上に広げるとアイロンをかけやすくなります。

シワがつきにくく、おすすめなのが「本だたみ」というたたみ方。浴衣を広げて折り目を揃え、手のひらで優しくなでてシワを伸ばしながら、首の後ろの衿を内側に折り返します(1)。(1)点線で示している「おくみ線」と呼ばれる浴衣の線を中心に手前の脇線に合わせるように折り返します。「おくみ線」・「衿下」同士を合わせるように重ね、内側に二つ折りにしたら(2〜4)、あとは袖を重ねて収納しやすいサイズにするだけ!(5〜7)

洗濯機で洗える!?浴衣のケア法とたたみ方・しまい方

最後に、「着物専用保存袋」か「畳紙(たとうし)」にくるんで保管しましょう。1年後に虫に食われていないように、着物専用の防虫剤を入れることも忘れずに。

今回のまとめ

夏祭り、花火大会、普段のお出かけにも、いろいろな場所で浴衣が着られると、夏がより楽しくなるはず。デートでは、ほんの少し所作を意識することで、普段と違う上品な色気で彼をドキッとさせちゃいましょう。女二人で、浴衣を着て温泉旅行もいいですね! 気負わず気軽に着こなせば、すれ違う人も思わず振り返るかも。

アクセサリーや小物も和風で統一して落ち着きを出してもいいし、洋風なアレンジを加えて自分ならではのオシャレを楽しむのもいいですね。浴衣はこの季節だからこそ映えるアイテム。浴衣を着こなして暑い夏を楽しんでください!