始める前に知っておきたい、時短勤務のメリット・デメリット

始める前に知っておきたい、時短勤務のメリット・デメリット

育児や介護など、プライベートの事情で働く時間に制約のある方もいらっしゃることでしょう。
「多忙なプライベートと仕事、はたして両立出来るのだろうか・・・」そんな不安を抱えてしまうのも、無理はありません。

しかし、あなたの「働きたい」という気持ちを抑える必要はありません。社会的にも、育児や介護への理解が深まっています。

そんな風潮を反映した取り組みのひとつが、定時よりも短い時間で勤務する「時短勤務」。いま、多くの会社で取り入れられています。しかしそんな「時短勤務」には、魅力もある一方で、“時短勤務であるがゆえのお悩み”を抱えている方も少なくはない様子。

そこで今回は、時短勤務のメリットとデメリット、そして時短勤務にありがちな悩みの解決策を一緒に考えていきましょう!

時短勤務のメリット:「キャリアとの両立」と「収入源」

時短勤務のメリット:「キャリアとの両立」と「収入源」

メリット1:キャリアと家庭を両立できる

長年仕事をしていた方にとって、育児や介護をきっかけに仕事から離れることで、積み重ねたキャリアや仕事の感覚を失ってしまうのはとても惜しいことです。実際に、育児や介護がひと段落したあとの仕事復帰を考えると、「職歴に空欄が出来てしまうことが心配」という声も珍しくありません。

だからこそ長年のキャリアと仕事スキルを継続しながら、プライベートと両立できる時短勤務を選ぶ方が多くいるのです。時短勤務であれば、保育園やデイサービスのお迎え時間を気にしながら仕事をする必要もありません。

生活に合わせた終業時間を迎え、育児や介護モードに突入する。そんな、「仕事と家庭のON・OFF」を無理なく切り替えて自分らしいライフスタイルで過ごせる点が、時短勤務の魅力のひとつだといえます。

メリット2:時短勤務も大事な収入源!

育児や介護をしていると、子どもの将来的な教育資金やデイサービスの費用、介護用品の購入など、何かとお金がかかりますが、どれもお手頃な金額とはいえません。ではその費用をどこから出せばいいのでしょう?

仮に共働きをしていた家庭で片方が完全に仕事を辞めれば、配偶者の稼ぎだけで月々の生活費+介護・育児の費用を払うことになります。これでは、なかなか厳しい経済状況になること必至です。

そこで時短勤務に切り替えることで保育園やデイサービスなどの費用をまかない、配偶者のお給料は普段の生活費や貯金に回せるといいですね!もちろんフルタイムでの勤務より金額は減りますが、時短勤務であっても、家計をサポートする大切な収入源になるのです。

時短勤務の3つのお悩みと、その解決策

時短勤務には魅力が多い一方で、時短勤務だからこそ感じる悩みも多く存在します。
そこで、ここからはよくある3つのお悩みをご紹介しながら、時短勤務のデメリットと解決策について考えていきましょう。

お悩み その1 自分だけ早く帰ることに負い目を感じる……

お悩み その1 自分だけ早く帰ることに負い目を感じる……

みんながまだ働いているオフィスを、自分だけ早く去る時に、「申し訳ない」と感じてしまう人も少なくはありません。「自分が早く帰ることで周りに迷惑をかけていないか」「職場のお荷物になっていないか」「悪く噂されるのではないか」……。そう思う気持ちも十分にわかります。

しかし企業は、あなたが時短勤務をしたい事情を受けて、それでも戦力になると判断して迎えています。それは、その企業で働く他の社員の方々も同様です。もし本当に迷惑になるのであれば、そもそも時短勤務自体を受け入れてはもらえないでしょう。

だからこそ、「感謝の気持ち」をしっかりと伝えながら、周囲に頼れるところは素直に頼ってみませんか?

中には早く帰る負い目から毎日謝っている方もいるようですが、周囲の方にとっては謝り続けられることで余計に気になる場合もあるようです。「ごめんなさい」よりも「ありがとう」の方が断然気持ちがいいものですよ!

もちろん、頼ってばかりではなく、自分にできる周囲のサポートは率先しておこなうことも大切です。常にギブ&テイクの精神を持ちながら、周りに快く迎えられる時短勤務スタイルをつくり上げていきましょう。

お悩み その2 仕事が終わりません!!

お悩み その2 仕事が終わりません!!

通常勤務の時に比べて、業務タスクをこなす時間が減ったため、効率的に仕事を終わらせることができない……。成果も上げられないので、やる気も上がらない……。そんなお悩みの声も多いです。

しかし、「限られた時間の中でもテキパキと仕事をこなす」必要性は、本来フルタイムの勤務であっても同じです。常に残業がある職場であればマヒしているかもしれませんが、限られた時間で求められたタスクをこなす能力は、社会人として当然のスキル。フルタイムの勤務に戻ってからもとても役立つはずです。

仕事が終わらないときに「時短」をいい訳にせず、1日にやるべきことをしっかり整理して、自分のタスクをこなせるよう仕事に取り組むことが大切です。

また、家庭の止むを得ない事情で勤務中にも急に帰らなければならないこともあるでしょう。そうした場合は、必ず周囲にフォローしてもらわなければなりません。

そのため、緊急事態に備えて、自分だけで仕事を抱えず、同僚や上司と仕事内容を常に共有するように心がけましょう。そうすることで、周囲の方もスムーズにフォローがしやすくなります。

お悩み その3 「時短だから」と家族が家事を協力してくれない

お悩み その3 「時短だから」と家族が家事を協力してくれない

時短勤務になったことで、家族が「仕事が早く終わるなら時間あるでしょ?」と家事を自分任せにするようになったというお悩みもあります。

プライベートの時間に余裕ができる時短勤務ではありますが、家族の協力がなければ、その“余裕”はすぐに失われてしまいます。そして何より時短勤務を理由にご自身の家事分担が多くなることは、夫婦平等とはまったく言えませんよね。

せっかくの時短勤務を有効的に活用するため、時短勤務であっても働いていることに変わりはなく、時間には限りがあることを家族に理解してもらいましょう。

また「共働き」であることを前提に、家事分担をしっかり決めることも大切です。「夫だから」「妻だから」という役割でなく、個人個人の幸せな生活を描いていくよう心がけたいものですね。

今回のまとめ

育児や介護をしていると体力を使いますし、仕事も健康でなければ十分なパフォーマンスは上げられません。だからこそ仕事と家庭を両立する為には、“無理をしない”というルールがとても重要となります。そこで、通常の定時勤務に比べて、時間と体力の余裕を作れる「時短勤務」という選択肢があるのです!

もちろん、これまでキャリアを積み重ねてきた方にとっては、仕事量に制限が生じる時短勤務は物足りない気持ちがあるかもしれません。

しかし、大切な人とのかけがえのない時間や健康にはそれには代えられないものです。時短勤務の際は、仕事と家庭を両立する “のりしろ”のような余裕をこころがけて、無理なく働くことをおすすめします。